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執筆者の写真Polyphonia

ゲストスピーカー園田章さんを迎えて

更新日:2020年8月11日

 私たちはこの度、不登校・ひきこもりピアサポートグループ「YURUMI」を立ち上げた園田章さんからお話を聞きました。

 園田さんは、自身も引きこもりの当事者としての経験があり、同じく当時者であった弟さんの自殺を機に、引きこもりへの援助を目的としたNPO団体を立ち上げました。

 今回、「ソーシャルアクションのリアル」というテーマのもと、これまでの経験を元にした園田さんの考えを教えていただいた。


 園田さんは、「社会を擬人化するな」といいます。社会の中にはバラバラな好みをもった「個人」がいて、それらの人が合意できる範囲はかなり狭い。そのことから、「社会を良くする」ということもなかなか定義できず、ソーシャルアクションにも限界があると仰っていました。

 それは、「社会」を主体とするのではなく、「個人」にフォーカスをすることで、はじめて効果的なソーシャルアクションを起こすことができるということでした。

 「社会を良くする」ために動いている政府に対して違和感を抱いていたのもこのためか!と気づき、すっきりとした気持ちになりました。

 また、その過程で、さまざまなことにチャレンジし、いろいろな人に関わり「あそんでもらう」ことが大切だという教訓を頂きました。


 今まで、漠然と「社会のためになること」をしたいと考えていましたが、霧の中を模索しているような感覚でした。ボランティア活動などに参加して、自分にできることは何か考え続ける日々でした。そんな中、視界がよりクリアになるための方法や心持ちを教えていただき、将来への不安が少し軽くなったような心地がしました。

 これから、困難な事や予期せぬ事が起こるかもしれませんが、そのたびに「人生楽しんだもの勝ち」の精神で、一歩踏み出すことができるようになったと思います。

 安定した職業に就くというような「社会的な成功・正解」だけに囚われず、「こうなったらいいな」や自分の興味・関心を生かして活躍できる「私の成功・正解」を見つけていきたいです。そのために、今を大切に、この学び舎で、素敵な仲間と共に切磋琢磨していこうと思います。

 園田さんのお話から、これから社会に出ていく学生として、とても大事な考え方を教えていただいたと思います。また、自分のもつ価値と可能性について改めて考えさせられ、自身を奮い立たせることができた時間になりました。

 自分が一番やりたいこと、できることは何なのかまだ明確ではないですが、園田さんから頂いた数々の素晴らしい言葉を胸に、素敵な人生計画を立てていきたいと思います。

                            (学生A)


 

【他の受講学生の声】

・「園田さんが、これまでの人生で僕らには計り知れない辛い体験をし、人の何十倍も何百倍も努力をなしてこられたことに衝撃を受けました。」


・「社会を構成する個人を他人が変える権利なんかないという言葉を聞いて、その言葉がすごく響きました。私の中で言葉にできなかった、自分が生きやすい社会にしたいと思っていたことが、自信をもって言えるような気がします。」


・「園田さん曰く「小さく損して大きく得をする。自由に気楽にやることで偶然“当たり”を起こして成功するものである。」利益は必要であるが、その利益を継続して生み出すためには、事業者自身が継続して楽しむことができる環境が必要であると感じた。」


・「何かの解決方法を考えようとするとき、「社会」を主語にしてしまう、必要とされていることは何かから入ってしまうことで行き詰ってしまうことが多かった。お話を聞いて、どのような問題でも、ひとまずは挑戦していくことが大切であり、また、無理やり解決しようとしなくても問題定義すること自体にも意義があるのだと感じました。」


・「私自身も不登校であった過去があったので、自分が社会参与できるのかという不安感などが強くあったことを思い出して、園田さんの取り組みに、なんだか過去の自分まで救われたような心地がしました。自分だけで自分を肯定するのと、他者からも肯定されるのとでは雲泥の差だと思うところがあるため、とても嬉しかったのだと思います。」


・「「誰かのお金を払ってでも片づけたい困りごと」をマーケティング的な視点で見ることが、難しく感じました。社会と私の間での需要には相違があり、事業がうまくいかないケースもあると聞き、起業・経営の難しさを知りました。」


・「大学を出たら一般企業に就職することだけが生き方だと思い、それに抵抗も抱いていました。しかし、園田さんのように私のそんな固定概念にない生き方をされている人のお話は「そんな生きかたもあるのか」という希望でもあり、刺激になりました。自分のもっている可能性と、興味関心を存分に引き出してポテンシャルの活かし方を考えていきたいと思いました。」


・「社会というものは人間が主体であり、社会という主語は成り立たないという説明に、今までいわゆる「意識高い系」の人にどことなく納得がいっていなかった理由を見つけたような気がしました。」


・「お話の中で一番印象に残っているのは、誰が何を求めているか?を突き詰める思想・技能です。何事もニーズがなければ物事は発展せず、逆に全く“当たる”と思っていなかったことがやってみたら意外と需要があるということもあると思います。その意味で、今回のコロナ禍では、今まで見えていなかったことが見えてきたりと、悪影響だけではなく良い影響もわたしたちに与えてくれているのかなとふと思いました。」


・「優柔不断かつ心配性、止まりだしたら走れない私にとって成功を目的としないスタートというのはとても難しいもののように感じたが、成功と同じくらい自身の収穫を重視するこの自主企画ゼミに参加していることが、改めてより尊いものに思えてきました。とにかく今はせっかく自分の考えたことを気軽にアウトプットできる環境にあるので堂々と甘えていこうと強く思いました。」


写真撮影:2020 KUMITA Naoko. All Rights Reserved


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